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豊橋合同印刷は、中判サイズの平台4色印刷機を2機保有している。この印刷機は、小ロットからある程度の大きいロットまで、手頃なコストでカラー印刷が出来るハンドリングのよい機械だ。そのため、お客様の希望に添える価格帯で製品を納めることが可能である。
オペレーティングに要する人員は1機に対して1名。現在では、多くの主力商品を印刷する機械のためオペレーターの責任も大きい。
午後9時35分。繁忙期となるこの時期、この日の印刷成果物の検品を終えた青木佑磨(2003年入社)にカラー印刷についての想いを語ってもらった。

確かに機械の性能は向上している
しかし、最後の調整は人的精度が重要

 彼は入社当初、弊社製造部門のもう一つのオフセット部門でフォーム印刷機と呼ばれる帳票類専用の輪転機を操作していた。半年前よりこの平台印刷機に転向し業務をこなしている。各印刷機の担当経験をもつ彼の品質への想いとは。
「これまで帳票類を主に印刷していました。帳票類の大半は単色で、繊細な網点を刷り重ねて色の階調を表現する仕事はありませんでした。カラー印刷では、プロセスカラーと呼ばれるわずか4色で様々な色を表現します。そのため、各色の濃度バランスが少し崩れただけで、本来の色とは異なる仕上がりとなってしまいます。そのため常に濃度計を用い管理を行い、4色の刷りズレが生じていないかルーペで確認をしながらの作業になります。印刷物の精度の違いはフォーム印刷時とは比べものになりません。
 しかし、フォーム印刷を担当していた当時もそうですが、良品を製造する重要な点はオペレーター自身の想いにかかっていると考えます。入社当時から品質に関して自ら高いハードルを設けて作業をしている点は変わらないですね」

品質レベル安定化を図る設備を導入し
高品質のカラー印刷製品をお届けする

 弊社では、品質向上へ向けてオペレーターの技術レベルによる品質レベルの差をなくす取組みを行ってきた。インキ量をデザインデータから算出して版上に自動で割り当てる仕組みをはじめとするそれらの仕組み、設備の恩恵を青木も受けている。しかし、湿度や気温、環境でインキの堅さ、紙の癖が変化するのが印刷だ。

「加湿器による湿度管理で作業環境の安定化を図っています。また、オフセット印刷は、油と水の反発を原理として利用する訳ですが、その水に旧来の方法ではIPA(※1)を使っていました。適正水製造装置を導入することで脱IPAを実現しています。ピンホール(※2)を削減するシステムなども良品実現に一役かってますね。ただ、紙は生き物だなと思います。難しいですよ」

社内コミュニケーションで
アワーコスト削減・短納期実現に貢献

 青木が入社した当時と比べ、印刷業界の納期は遙かに短くなった。繁忙期には、夜遅くまで印刷機を稼働させることもある。
「確かに、納期は短くなりましたね。完全デジタル化され各工程をシームレスにデータが行き来します。タイトな予定組みが可能になったのですが、前工程に不確定要素が一つでもあると、スムーズに印刷予定が組めないこともあります。印刷資材の入庫のタイミング、デザイン校了のタイミング…、常に変化する状況を把握するために、社内コミュニケーションがとても重要です。無駄な時間を削減してアワーコストを上げる。どの業界も同じだと思いますが、カラー印刷を担当し、さらに実感しています」

常に新しいものに目を向け
技術や感性の幅を広げ
仕事に活かしたい

 学生時代より、米英はもちろん、北欧や南米のレコードを収集する青木。インキ特有の臭いや各国の網点の風合いから印刷という媒体に興味を持った。

 カラー印刷を担当したことで再度、印刷の難しさを実感するとともに、印刷に対する探求心を深めた。
「カラー印刷、やっぱり難しいです。パウダー量(※3)や、紙厚毎の対応…、紙の取り扱いもなかなか深いですしね。紙を上手く積む練習は上司命令です。でも、難しい分、やりがいがあります。紙媒体の印刷が縮小する今の世の中では、他の媒体も考えていかないといけないのではないか?ともちょっと思いますけど」
 オフセットに限らず『刷る』事に興味をしめす彼は、イベントや結婚式などでオリジナルのTシャツを作成するなど『印刷』と言う文化自体を楽しんでいる。
「印刷業に従事して、普段何気なく手にしていた印刷された紙に、多く人の思いが詰まっているのだなと、手に取る度に考えさせられます。内容を見るというよりは品質を評価する様な見方をしてしまう事もありますけどね。デジタル時代に逆行しますけど、アナログ感のある印刷、シルクスクリーンとかも含めて、『味』のある印刷って結構いいですよね。好きなんです」
彼の刷ることに対する向上心、探求心は止まるところを知らない。

※1.IPA=イソプロピルアルコール。印刷時に必要な、表面張力が低く、版の隅々まで広がる水を作り出す溶剤。但し、環境問題の点からIPAを使用しない印刷が望ましいとされる。
※2.ピンホール=版面にごく小さな埃が付着しただけでも印刷面に粒上の抜けができてしまう。
※3.パウダー=印刷のスピードは早くインキが乾く前に次の紙が刷られて積み重なる。インキの裏移りを防ぐため数ミクロンの粉を紙全体にまく。