Gradation
with
no halftone dots.

オフセット印刷による網点が存在しない
グラデーション実験

廃インキ削減への取り組み

グラーデション印刷の実験

オフセット印刷において、印刷工程完了時に出てしまう廃インキは、安定した品質維持の為には仕方のないものとなっています。

これまで豊橋合同印刷株式会社では、廃インキ量削減を目指し調色機やオンデマンド印刷機、UV印刷(インキの硬化が限りなく遅い)の導入、オペレーターのスキルアップなど様々な取り組みを行い、現在でも重要な環境側面として継続しています。
その中でも今回の取り組みは、とても遊び心のある実験的なものとなっています。

弊社ではメンテナンス・清掃工程ロスを減らすため、印刷機オペレーターはインキ壺に残ったインキを、ヤレ紙(※)にベタ印刷し、壺が極力空になった状態から洗浄しています。
その過程でオペレーターは、「一つのインキ壺に、数色のインキを入れたらどんな風に印刷されるのだろう」という疑問を持ちました。
通常、オフセット印刷では1つのインキ壺に2色以上のインキを同時に入れて刷ることはありません。しかし、印刷機の構造を理解するオペレーターの「インキ壺に2色以上充填したならばグラデーションが印刷されるだろう…果たして、それは美しく刷られるのか?」という好奇心と遊び心からこの実験は始まりました。
そして、そこには廃棄される残インキがあったのです。

本来、カラーオフセット印刷はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインキがとそれぞれのインキ壺に1色ずつ充填され、網点で混色を表現します。
この実験では、1つの壺に数色のインキを充填し、そのままローラーに流します。ローラー上で混色されたインキは版を経て紙に印刷されるため、回転数や速度、印刷量によってグラデーションの表情は常に変化していきます。全く同じグラデーションは表現できませんが、美しく深みのある色合いが生まれました。

印刷機の特性上、グラデーションは一方向にしか表現できませんが、このグラデーションには網点が存在しないため圧倒的な深みのある表現となります。北斎などに見られる浮世絵版画のグラデーション表現「ぼかし」に近い表情となります。

この取り組みは現場オペレーターの遊び心から始まりましたが、弊社CSR委員会が採用し、近隣の保育園などで使ってもらうための「折り紙」として無料配布する予定です。
持続可能な社会を目指すとき環境側面に目が行きがちですが、「印刷」を文化として持続可能にするのであれば、このような楽しい取り組みも価値があるのかもしれません。

豊橋合同印刷株式会社では、常時機器メンテナンス、清掃を行っているため本実験が製品に影響を及ぼすことはありません。
※色調整や位置調整のために使用する製品には使用できないテスト印刷用紙